不妊治療を始める
なんとなく人生の1つの経験として綴っておこうと思い立ったので、これから向き合う不妊治療についてしばらく書いていこうかと思う。
先日のアッキーナのニュースを見て、
悲しい気持ちと不安な気持ちでいっぱいだし、
これから辛いこともたくさんあると思う。
それでもチャレンジせずには諦められないから。
私の人生のワンシーンをここに記録する。
今回は不妊治療に至るまでのざっくりした流れと仕事と不妊治療について感じたこと。
2年くらい前、子宮がん検診で卵巣に異常が発覚。
精密検査を受けに行く。
チョコレート嚢胞。
そんなには大きくないので経過観察で半年に1回の定期検診に通う。
妊娠を望むなら先にこどもを作るように言われる。
妊活開始。
そしてコロナが広がる。
妊活をしばらく様子見で休む。
待ってても全然収拾つかなそうだし、
私ももう35歳。
高齢出産という歳に突入してしまったので恐る恐る再開。
全然出来ない。
不妊の検査を受け始める。
と同時に不妊治療を始めようと決意。
仕事がシフト制でしかも人が足りないから仕事の都合で自分の休みが決まるし変更も多々。
こんな生活ではとても不妊治療のスケジュールが立たないし通院も出来ない。
仕事を辞める決意。
とりあえず休職にしなよと引き留められる。
1年休職にした。
有給はあるけど保険の支払いで帳消し。
実質給料なし生活。
仕方ない。
そうでもしないと不妊治療が進まない。
手当てはない。
高度な不妊治療には組合から手当が出るらしいし、
自治体からも補助が出るようになっただけマシか。
と思うしかない。
上司に無理をいって何度か通った検査の結果はあまりよろしくない。
受けたのはエコーと血液検査と卵管造影。
卵管造影は痛い検査ですと予め言われていたが、
本当に痛かった。結果を知って納得したけども。
ホルモンの出過ぎ(卵巣の機能が弱ってるかもしれないらしい)と卵管が通っていないそうだ。
卵管が通っていない、もしくは通りづらくなっていると卵が子宮に行けないから自然妊娠は望めない。
つまりタイミング法などの一般の不妊治療(保険適用内)では不可能。
体外受精が確定した。
元々卵巣の件で通っていた大きい病院だが、不妊治療専門ではないためここでは一般の治療までしかやっていない。
そのため新たに病院を探すことになった。
この土地に来て2年弱不妊治療に詳しい知り合いなんていない。
通ってた病院で紹介してもらって紹介状も書いてもらった。
帰ってから近くにどんな病院があるのが探してみたけど、通える範囲ではほとんど見つからなかった。
大都会に出ないと不妊治療専門の病院がほとんどないという事実。
難しい技術なんだなという感嘆と気軽には通えない世の中への絶望を感じた。
働きながら通おうとする人だっているのにこれじゃあ大変だ。
少子化を止めるなら補助ももちろんだけどこういうところも増やさないとダメなんだろうなと思う。
会社の上司には通院のないスケジュールの空いたところだけでもいいからシフト入れないかと言われたし、
常識のない部下にはこの仕事の状況から抜けられるからいいじゃないかと言われ、
全くこれだから男どもは理解してくれないよなと腸も煮えくり返ったが。
確かに仕事を休むことで迷惑をかけるが、
不妊治療は仕事を辞める覚悟で決めたことだし、
身体的にもメンタル的にもこれから苦しむであろうと戦場に挑む気持ちだ。
人間らしい生活をすること。
ご飯をちゃんと食べること、
睡眠を十分とること、
太陽を浴びること。
そうやって妊娠に向けてからだ作りをしなければならないのに。
暇人扱いされるのは悲しい。
人間らしい生活が出来ないほど働いてるのも問題だけどそれは今回置いておくとして。
ただでさえこれから新たな体調不良やストレスと戦って行かなければならないのに。
そんな目で見るなら本当に会社を辞めさせてくれ。
と言いたくなった。
言わなかったけど、シフトに入ることはお断りした。
ただ病院に通えばこどもが出来るとかそんな簡単な話ではないのですよ。
やっぱり自分の身が犠牲になる女性とは違って、
この気持ちは分からないんだろうなぁと遠い目をするしかない。
とはいえ理解ある男性ももちろんいるからね。
奥さんの妊娠で苦労した人とか。
そういう人の言葉はやっぱり違う。
全ての人に理解してもらうのは無理だとしても、
今後そういう気持ちになるひとが少しでも減ればいいのにと思うので、
私は不妊治療を隠さなかった。
私の体がポンコツなのは事実だが、それを恥ずかしいとは思わないし、悪いことをしているとは思わない。
そりゃあ周りに迷惑はかかるし旦那にも負担がいくから申し訳ない気持ちはあるけど。
今回のことで不妊治療するんですって職場のお姉さま方に話したら私も実は苦労したんだよって人が結構いて。
身近にそういう大変な人がいるんだよってことをもっといろんな人が知ったらいいと思うんだ。
それが当たり前であるということ。
私はワガママを言って1年休みをもらったけど、
世の中には休みを言い出しづらい中、有給を申請してこっそり通院してる人もたくさんいるのでしょう。
休みたいときに休めない世の中は不妊治療の世界にも大きく影響してる。
命を削って命を授かる。
それがどれだけ生き物として当たり前であり、どれだけ難しいことなのか。
今、身をもって対峙しているところだ。
産休育休について取り組む会社も増えている世の中ではあるが、
その前で躓いている人にも手を差し伸べられる世の中になってほしい。
男だから、女だからとあまり区別するのは好きではない私だが。
こればっかりは体の作りが違うので自分ではどうしようもない。
だからお互いに理解しようと歩み寄り、
お互いが出来ることに協力していけば、
苦しみや不満だけじゃない、
少しだけ優しい世界になる。
さあ、明日はいよいよ不妊治療専門の病院へ。
通える距離で選んだところだけども、正直不安でいっぱい。